盆休みに行った洗面所のDIYリフォームが家族にも好評だったことに勢いづき、今度は玄関のリフォームに手を出すことにしました。
我が家の玄関はそれほど広くなく、壁一面には扉付きのコの字型靴箱が設置されています。収納力は十分なのですが、狭い玄関に大きな収納があるため、どうしても圧迫感があります。
そこで今回のDIYリフォームで最も重視したのが、
「開放感のある玄関にすること」
です。
既存の靴箱を撤去し、壁紙も剥がして漆喰壁へ。靴の収納は扉のないオープン棚に変更して、できるだけ広く感じられる玄関を目指しました。
まずは既存の靴箱を撤去
最初の作業は、既設の靴箱の撤去です。

我が家の靴箱はコの字型をしており、大きく4つのユニットに分かれていました。まず上側のユニットから順番に取り外していき、最後に下の大きな靴箱を撤去しました。
撤去した靴箱は市の処分場へ
取り外した靴箱は、そのままでは車に載せられないのでさらにバラバラに分解。
以前洗面所をリフォームした際に撤去した洗面台と一緒に、市の埋め立て施設へ持ち込んで処分してもらいました。50kgまで無料でしたが合計60kgだったので10kgオーバーの160円を支払って処分完了。
自分で車へ積み込んで持っていく手間はかかりますが、年数回車庫に大量のゴミを置いておくことを考えれば、直接持ち込んで正解でした。
壁紙をすべて剥がす
靴箱を撤去したら、次は壁の処理です。
ここが今回の玄関DIYで一番大変だった作業かもしれません。
我が家では猫を飼っていることもあり、壁紙の一部がすでに剥がれかけていました。この状態の壁紙へそのまま漆喰を塗ると、漆喰の重さによって壁紙ごと剥がれてしまう可能性があります。
そこで今回は、壁紙を残さずすべて剥がしてから漆喰を施工することにしました。
大変なのは壁紙ではなく残った糊
壁紙そのものを剥がす作業は、それほど難しくありません。問題はその後です。
壁紙を剥がした壁には糊が残るため、霧吹きで水をかけて糊をふやかし、スクレーパーで少しずつ削り取っていきます。

これが非常に面倒。
しかも、スクレーパーの角度や力加減を間違えると、糊だけでなく石膏ボード表面の紙まで一緒に剥がしてしまいます。
そして一度石膏ボード表面の紙が浮いたり剥がれたりすると、その上からそのまま漆喰を塗るわけにもいきません。浮いた部分をさらに取り除く必要があり、どんどん補修範囲が広がってしまいます。
壁紙を剥がすより、その後の下地処理の方が圧倒的に大変でした。
靴箱の裏は石膏ボードではなく合板だった
さらに靴箱を撤去して分かったのが、重量のある靴箱が固定されていた部分には合板が貼られていました。
石膏ボード、表面紙が部分的に剥がれた石膏ボード、そして合板。この状態のまま漆喰を塗るのではなく、一度下地を整えることにしました。
凹凸やネジ穴をパテで補修
壁紙をすべて剥がしてみると、石膏ボードを固定しているネジ穴やボード同士の継ぎ目など、壁には思った以上に凹凸がありました。

そのまま漆喰を塗ることもできますが、せっかくここまでやるなら少しでもきれいに仕上げたい。
そこで目立つ凹みは、できる限りパテで埋めておくことにしました。
硬化が早いパテは少量ずつ作る
今回使用したのは、ホームセンターでも購入できる水と混ぜて使うタイプのパテです。
これがなかなか使いやすく、乾燥後の痩せがほとんどないため、ネジ穴程度なら一度の施工でもかなりきれいに埋めることができました。乾燥後に必要な部分だけサンドペーパーで研磨すれば、比較的簡単に平らな下地を作れます。
一方で困ったのが、硬化するまでの時間がかなり短いこと。
水と混ぜてから「あそこも埋めよう、こっちも埋めよう」と探していると、その間にもどんどん固まっていきます。そのため、先に補修する場所をすべて確認してからパテを作った方が効率的でした。
また、一袋全部を一度に練るのもおすすめしません。よほど広い範囲を補修しない限り、使い切る前にカチカチになってしまいます。
今回の作業では、50g程度ずつ小分けにして水と混ぜるくらいが使いやすく感じました。
漆喰を塗る前にアク止めシーラーを施工
下地処理でもう一つ重要だったのがシーラーです。
特に問題になるのが、靴箱の裏にあった合板。木質系の下地へそのまま漆喰などを施工すると、下地由来のヤニやアクが表面へ染み出し、シミとして現れることがあります。
そこで今回は、漆喰を塗る前にアク止め機能を持ったシーラーを施工しました。
アサヒペン「ヤニ・アクどめシーラー」を使用
今回使用したのは、アサヒペンの「ヤニ・アクどめシーラー」2Lです。
単純に下地と上塗り材の密着性を高めるだけでなく、今回は合板からのアクを抑えることが重要なので、アク止めに対応した製品を選びました。
また、石膏ボード表面の紙が部分的に傷んでいた場所についても、シーラーを塗ることで下地を安定させる目的があります。
玄関の壁面積は約14㎡。製品の施工面積を確認したうえで2Lを用意し、全体を二度塗りしました。

特にアクが心配だった合板部分については、念入りに重ね塗りしています。
白いシーラーなので下地の色も隠せる
今回使ったシーラーは、乾燥すると白っぽい下地になります。

合板のような色の濃い下地を白く整えられるので、その上から明るい色の漆喰を塗ったときに下地の色が影響しにくくなるのもメリットでした。
シーラーを施工する前には、巾木や窓枠などをしっかりマスキング。

水性なので床などへ少量落ちても、雑巾で拭けばすぐ落ちるのでマスカーまではしなくても大丈夫です。
マスキングテープでマスキングした上からマスカーを貼れば、マスカー自体は適当に貼り付けられるので作業が楽でした。(マスカーで位置を微調整しながら貼るのはちょっと難しい)
玄関の壁には「ベジタウォール」を施工
下地が完成したら、いよいよ漆喰を塗っていきます。
洗面所のDIYでは「漆喰うま〜くヌレール」を使用しましたが、今回は別の製品を試してみることにしました。
選んだのはベジタウォールです。
以前仕事部屋で使用した壁紙屋本舗の「Gray tone stucco」の表面が非常に滑らかで、その質感を妻が気に入っていました。
そこで今回は、同じく滑らかな仕上がりを期待してベジタウォールを選びました。
ベジタウォールは柔らかく伸ばしやすい
予想通り、ベジタウォールは水分を多く含んだ柔らかい材料でした。
「漆喰うま〜くヌレール」と比較すると、少ない力でも壁面へ広げやすく感じます。
一方で、柔らかいから単純に塗りやすいかというと、そうでもありません。
薄く均一に伸ばそうとするとコテの扱いが難しく、角度によってはコテが壁へ張り付くような感覚もありました。
狭い玄関では小さなコテが便利
漆喰塗りに必要な基本的な道具は洗面所をDIYしたときと同じです。
ただ、玄関は壁の端や建具周辺など狭い場所が多いため、今回は小型のコテも追加しました。
これがかなり便利。
広い壁面は普通サイズのコテ、隅や狭い部分は小型のコテと使い分けることで作業しやすくなりました。
夏場なので乾燥はかなり早かった
施工したのは夏だったため、漆喰の乾燥はかなり早く感じました。
半日ほど置けば表面はほぼ乾燥した状態になり、二度塗りまで含めても丸2日程度で施工を終えることができました。
以前、冬に仕事部屋の漆喰を塗ったときは乾燥にかなり時間がかかったので、同じような塗り壁材でも季節によって作業時間は大きく変わります。
靴箱をやめてオープン棚にする

今回のDIYコンセプトである「開放感」を実現するうえで、一番重要なのが靴の収納です。
以前と同じような扉付きの靴箱を設置してしまえば、せっかく撤去したのに再び圧迫感が出てしまいます。そこで今回は、扉を一切付けないオープン棚にしました。
棚板と棚柱だけの非常にシンプルな構造です。扉がないので視界を遮るものが少なく、以前より玄関がかなり広く感じられます。
さらに扉や箱部分を作る必要がないので、施工の手間と材料費を抑えられるというメリットもあります。もちろん、中身が丸見えになるので常に整理しておかなければならないというデメリットはあります。
でも、これが後になって思わぬメリットを生むことになりました。
棚柱はロイヤル製に変更してコストダウン
棚の基本構造は、洗面所DIYで作った収納棚と同じです。
壁へ棚柱を固定し、棚受けを好きな高さへ取り付け、その上に棚板を載せます。
洗面所ではスガツネ製を使用しましたが、今回はロイヤル製へ変更。これによって棚柱・棚受けにかかる費用をおよそ半分に抑えることができました。
耐荷重は洗面所で使用したものより低くなりますが、今回載せるのは基本的に靴だけなので用途を考えれば十分と判断しました。
棚板には12mm厚の檜集成材を使用
棚板に選んだのは檜集成材です。
ホームセンターで12mm厚の既製品が販売されていたことと、比較的軽量なので棚全体の重量を抑えられることが採用理由です。
棚板を何段も設置すると、板そのものの重量も無視できません。そのため今回は、必要以上に厚い板を使わず12mm厚としました。
ただし、12mmでは棚板としてかなり薄いため、そのままではたわみが心配です。
Lアングルでたわみ防止+靴の落下防止
そこで棚板の奥側へLアングルを取り付けました。

Lアングルによって棚板を補強すると同時に、靴が棚の奥へ落ちないようにするストッパーとしても使います。
棚板の補強と靴のストッパーを一つの部品で兼用する作戦です。
我ながら、これはなかなか良いアイデアでした。
金属製のLアングルが見えるためデザイン面では少し気になりますが、棚の奥側なので靴を置けばほとんど目立ちません。そのため、あえて塗装せずそのまま使用しています。
棚板は1液タイプの水性ウレタンニスで塗装
棚板には水性ウレタンニスを塗りました。
洗面所の天板には水が直接かかるため2液タイプのウレタンニスを使用しましたが、玄関の靴棚にそこまでの耐水性は必要ないと判断。
今回は扱いやすさを優先して1液タイプを選びました。
実際に塗ってみると、2液タイプと比較して粘度が低く、かなり塗りやすく感じました。また、使用後の刷毛もしっかり水洗いすれば再利用できたので、後片付けも楽です。
カラーニスは塗りムラに注意
今回はチーク色のカラーニスを選びました。
透明ニスと違い色が付くので、刷毛で塗るとどうしても塗りムラが目立ちます。実際に施工してみて、広い棚板ならローラーを使った方が均一に仕上げやすかったかもしれないと感じました。
洗面所で使用した2液タイプほど強い耐水性はありませんが、靴棚という用途では十分だと考えています。
玄関DIYリフォームにかかった費用
今回の玄関DIYリフォームにかかった費用は、工具類を含めて約6万1,000円でした。
工具類が約8,000円なので、純粋な材料費としては約5万3,000円です。
主な材料費は次の通りです。
| 品名 | 型式・仕様 | メーカー | 数量 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 棚板1 | 檜集成材 1820×300×t12 | ナフコ | 6 | 16,680円 |
| 棚板2 | 檜集成材 910×300×t12 | ナフコ | 1 | 1,380円 |
| 棚柱・棚受け | 一式 | ロイヤル | 1 | 9,131円 |
| 漆喰 | ベジタウォール 16kg | テンコー装飾 | 1 | 8,400円 |
| アクどめシーラー | 2L・ホワイト | アサヒペン | 1 | 4,336円 |
| 水性ウレタンニス | 300ml・チーク/ホワイト | 和信ペイント | 2 | 3,729円 |
| Lアングル | 30×30×L1200/L600 | ナフコ | 7 | 5,666円 |
| その他 | 一式 | - | 1 | 3,809円 |
オープン棚にしたことで、扉付きの収納を新たに作るより構造をかなりシンプルにできました。
開放感を出すという目的だけでなく、DIYの難易度と費用を抑えるという意味でもよかったと思います。
ベジタウォールとうま〜くヌレールを比較
ここまで何度か自宅の壁へ漆喰を塗ってきましたが、今回は「ベジタウォール」、洗面所では「漆喰うま〜くヌレール」を使用しました。
「漆喰なんてどれも似たようなものでは?」と思っていましたが、実際に両方使ってみると、扱いやすさや塗り心地、仕上がりには結構な違いがありました。
あくまで僕が実際にDIYで使用して感じた違いですが、比較してみます。
梱包・容器
ベジタウォール
厚手のビニール袋に入っているため、使い始めはそれほど問題ありませんが、残量が少なくなるにつれて袋の奥まで手を入れなければならず、手や腕に漆喰が付きやすくなります。
袋に付着した漆喰を最後まできれいに取り切るのも難しく、この点はかなりストレスを感じました。
漆喰うま〜くヌレール
樹脂製のペール缶に入っているので、大きく開口するのでコテ板へ移しやすく、残量が少なくなっても取り出しやすい。
蓋を閉められるので作業途中の保管もしやすく、容器については圧倒的にこちらが使いやすかったです。
粘度と塗り心地
ベジタウォール
かなり柔らかく、少ない力でも壁へ広げることができます。
一方、柔らかいから必ずしも塗りやすいわけではなく、薄く均一に伸ばすのは意外と難しく感じました。コテの角度によっては壁へ張り付くような感覚があり、個人的にはこれが少しストレスでした。
漆喰うま〜くヌレール
ベジタウォールと比較すると粘度が高く、塗り広げるには少し力が必要です。その代わりコテで材料をコントロールしやすく、個人的にはこちらの方が扱いやすく感じました。
仕上がりの違い
ベジタウォール
乾燥後の表面はかなり滑らかです。
以前仕事部屋に施工したGray tone stuccoに近い質感で、妻はこちらの仕上がりを気に入っています。一方、漆喰表面に小さな気泡が発生するのでその処理が少し面倒でした。
漆喰うま〜くヌレール
ベジタウォールより表面のざらつきが大きく、触ったときにも違いが分かります。
滑らかな壁が好みならベジタウォール、少し粗めの塗り壁らしい質感が好きならうま〜くヌレールという選び方もできそうです。
乾燥時間
乾燥時間については、製品の違いだけでなく施工時の気温、湿度、塗り厚などにも大きく左右されます。
今回の施工では、夏場ということもありベジタウォールも半日程度で表面はかなり乾燥しました。うま〜くヌレールを夏場に使用したときも表面の乾燥はかなり早かったため、夏であればどちらも乾きは早いと思います。
冬場に施工したGray tone stuccoでは乾燥にかなり時間がかかった経験もあるので、DIYでは季節も考慮して余裕を持った施工スケジュールを組んだ方がいいと思います。
どちらをもう一度使いたい?
仕上がりや価格など、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ただ、もう一度DIYするなら「漆喰うま〜くヌレール」を選びます。
最大の理由は、施工中の扱いやすさです。ベジタウォールは柔らかく伸ばしやすい反面、個人的にはコテでのコントロールが少し難しいと感じました。
そして何より大きいのが容器の違い。ペール缶からそのまま材料を取れる「うま〜くヌレール」は、手や腕が汚れにくく、最後まで材料を使いやすい。
長時間作業していると、こうした小さな違いがかなり大きなストレスの差になります。
ベジタウォールも仕上がりの滑らかさは非常に気に入っているので、もし取り出しやすい容器になれば、また使ってみたい製品です。
Gray tone stuccoはどうだった?
以前仕事部屋で使用した「Gray tone stucco」は、今回使用したベジタウォールに近い使用感でした。柔らかい塗り心地や滑らかな仕上がり、袋から材料を取り出すスタイルなど、実際に施工した感覚はよく似ています。
仕事部屋ではグレー、今回の玄関では別の色というように、仕上げたい壁の雰囲気に合わせて選ぶのもいいと思います。
オープン靴棚にして収納力は減った
完成後、見た目については狙い通り。
大きな扉付き靴箱がなくなったことで、以前より玄関がかなり開放的になりました。ただし当然ながら、収納力は大幅に減っています。
そこで家族全員で靴の断捨離をしました。
靴は「いつか履くかもしれない」と思うとなかなか捨てられず、気付けばどんどん増えていきます。でも、そもそも置く場所がなければ本当に必要な靴だけを残すしかありません。
結果的には、これもオープン棚にしてよかったことの一つでした。
オープン棚でも臭いは気にならなかった
もう一つ心配していたのが、靴の臭いです。
以前は扉付きの靴箱だったので、オープン棚にすると玄関全体に靴の臭いが広がるのではないかと少し心配していました。しかし、実際に使い始めてみると、我が家では特に気になることはありませんでした。
もちろん靴の状態や家族構成、玄関の換気環境などによって違うと思いますが、少なくとも「オープン棚だから臭いがひどくなった」という変化は感じていません。
一番の変化は子どもが靴を片付けるようになったこと

今回の玄関DIYで一番驚いたのは、見た目でも開放感でもありません。
子どもたちが、自分から靴を片付けるようになったことです。
リフォーム前は、帰宅すると玄関で靴を脱いだまま。「靴を片付けて」と何度言っても、なかなか片付けてくれませんでした。
ところがリフォーム後、「帰ってきたら靴を棚へ戻してね」と最初に一度お願いしただけで、それ以降は何も言わなくても棚へきれいに戻すようになりました。
最初は「うちの子どもたちは片付けができない」と思ってたんですが片付けられなかったのではなく、片付けやすい環境を作れていなかっただけなのかもしれません。
まとめ|開放感を求めた玄関DIYは大成功


今回は、狭く感じていた玄関の靴箱を撤去し、漆喰壁とオープン棚を組み合わせた玄関へDIYリフォームしました。
壁紙を剥がした後の糊落とし、石膏ボードの補修、パテ処理、アク止めシーラー、漆喰塗り、棚板の製作と、思っていた以上に大掛かりな作業になりました。
細かなところを見れば、もちろんプロの施工には及ばない部分もあります。それでも、大きな靴箱がなくなった玄関は以前とは比べものにならないほど開放的になり、来訪者からの評判も上々です。
収納力が減ったことで不要な靴を整理するきっかけにもなり、オープン棚だからこそ玄関をきれいに保とうという意識も生まれました。
そして何より、子どもたちが自然と靴を片付けるようになったことは予想していなかった大きな収穫でした。
収納は単純に「たくさん入れば便利」というわけではなく、使う人が自然に片付けられることも大切なんですね。
帰宅して玄関を開けたとき、漆喰で明るくなった室内の壁に靴がきれいに並んでいる。
その光景を見るたびに、今回もDIYしてよかったと思います。
